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2018.08.24 最終更新
研修生

市場を揺るがす仮想通貨のアップデート!?ハードフォーク・ソフトフォークを徹底解説

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仮想通貨の「ハードフォーク」や「ソフトフォーク」という言葉をご存知でしょうか?仮想通貨のアップデート形態を指すこの言葉は、思想背景や価値観の差により多くの論争を巻き起こしました。今回はこの2つの言葉の概要やちがいについて解説いたします。

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近年仮想通貨の知名度は上昇しており、一般にも浸透しています。仮想通貨にあまり詳しくなくても、「ビットコイン」や「イーサリアム」、「リップル」という言葉を聞いたことがある、という方は多いのではないでしょうか?

これらの仮想通貨は、仮想通貨の時価総額ランキングにおいて上位を占める通貨です。現在(2018年7月末)、仮想通貨の時価総額ランキングは首位をビットコイン、続いてイーサリアム、3番手にリップル(仮想通貨の名称は「XRP」(愛称ザープ(XERP))と続きます。そして4番目が「ビットコイン・キャッシュ」というランキングになっています。

ここで「ビットコイン」「ビットコイン・キャッシュ」という、よく似た名称の通貨が並んでいることに興味を引かれた方もいるのではないでしょうか?

じつは、この「ビットコイン・キャッシュ」は,「ハードフォーク」という、いわゆる仮想通貨の分裂によって、「ビットコイン」から生まれた仮想通貨なのです。
今回は、仮想通貨のアップデート形態の「ハードフォーク」と、それに対する「ソフトフォーク」の概要や両者のちがい、それぞれを巡る論争を解説させていただきます。

各々の功罪や支持者の思惑を含めてご理解いただければと思います。

「ハードフォーク」と「ソフトフォーク」とは?

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「ハードフォーク」「ソフトフォーク」とは、もともとソフトウェアなどの開発現場で使用されていた用語です。

「フォーク」とは直訳すると「分岐」です。
ハードフォークは、システムの仕様変更に伴うアップデートが互換性の無い形で実行されることです。

対して、ソフトフォークは、これまでのシステムとの互換性を考慮した形でアップデートが実行されることを指します。

つまり、仮想通貨の世界においては、ハードフォークは「仮想通貨の分岐的アップデート」、ソフトフォークは「互換性を考慮した仮想通貨のアップデート」を意味すると言えるでしょう。

2009年に産声を上げたビットコインは、ハードフォークとソフトフォークの両方を経験し、数々の論争を巻き起こすことになりました。続いて、それぞれの具体例を見ていきましょう。

「スケーラビリティ問題」の解決としてのハードフォーク「ビットコインXT」

そもそも、なぜビットコインは「アップデート」を行う必要があったのでしょうか?それは、ビットコインのブロックチェーンが持つ「スケーラビリティ(scalability)問題」があります。ここでいうスケーラビリティとは、トランザクション(取引データ)の処理量の拡張性を指します。

ビットコインの元々のブロックチェーンは、ブロックサイズの上限が1MBに制限されており、ブロックが生成されるのも約10分間隔となっています。これはコンピューターの処理能力としては、決して高い部類ではありません。

ビットコインのブロックは、理論値で1秒間に7件程度、1日に換算すると、約60万件程度の取引しか処理できません。

比較として、電子マネーの取引件数を見てみましょう。2018年6月29日、日本銀行決済機構局が公開した「決済動向(2018年5月)」によると、電子マネーの取引件数は約5億件です。

さらにこの調査値は、調査対象先8社(Suica、ICOCA、PASMO、nanacoなど)の乗車や乗車券購入に利用されたものを除いているため、実際の電子マネーを使用した1日の取引件数は、より多くなると考えられます。

ビットコインが処理できる取引件数が、あまり高水準とは言えないことがお分かりいただけましたでしょうか。

こうしてみると、ビットコインはその取引処理のパフォーマンスをもっと上げなければいけないと、開発者関連者たちが危惧したのも当然の帰結と言えるでしょう。

2015年、ビットコインのコア開発者キャビン・アンドレセン氏と、ソフトウェア開発者のマイク・ハーン氏が、スケーラビリティへの対処として、「ビットコインXT」という新たなアップデートを実行すると発表したことから、ビットコインのフォーク論争は幕を開けました。

しかし、このビットコインXTには多くの懸念がありました。たとえば、従来のソフトウェアと互換性の無い、いわゆる「ハードフォーク」であることです。

また、このXTによりブロックサイズが拡張されると、ハッカーによる攻撃やスパム攻撃、より高性能なマシンを持つ特定のマイナーによるブロックネットワークの寡占化の恐れがあるなど懸念事項は山積みでした。

結局、ビットコインXTは多くのマイナーから支持を得ることができずに却下されてしまいます。代わりに提示されたのは、コア開発者のピーター・ウィール氏が考案した「セグウィット(SegWit)」です。

新たな代案ビットコインのソフトフォーク「セグウィット(SegWit)」

セグウィットは、「Segregated (隔離・分離)Witness(署名)」の略で、大まかに表現させていただきますと、ビットコインのトランザクションのデータを整理して、いままでブロック内で大容量を占めていた電子署名データを、従来とはまったく別の新しい領域に分けて保存する仕組みです。

プログラム上では、ビットコインのトランザクションのinput要素が含む、scriptSigと呼ばれるスクリプト(単純なプログラムコード)に含まれていたデータを、新しい「witness」と呼ばれる領域に格納するコードが実装されました。

セグウィットは、これまでの仕組みとの互換性を考慮したアップデート、いわゆるソフトフォークを行うことを目的としました。

このソフトフォーク派と対立するのが、ハードフォークを推進する「Bitcoin Unlimited(BU)」というグループです。

彼らは主要なマイナーで構成されており、ビットコインのブロックサイズの上限をさらに上げようと、従来のシステムと互換性が無い形で、独自にソフトウェアのバージョンアップを行いました。

ハードフォークが支持される理由としては様々ですが、ここでは主に2点挙げさせていただきます。

1点目は、マイナーにとっては、ハードフォークの方がセグウィットよりも多くの手数料獲得が期待できるため、比較的支持しやすいという理由があったということです。

2点目は、ソフトフォークはハードフォークよりも複雑であるため、コストや実際の新仕様が運用可能となる期間などを考慮すると、ハードフォークの方が合理的である傾向が強いということです。こうした理由により、BU派はマイナーが多数を占めるとされています。

セグウィットの新風なるか?ビットコイン・コアのリリース

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さて、ハードフォークを推進するBU派と対立が続く中、ソフトフォークを貫くコア開発者たちが注力するセグウィットに新しい動きが起こりました。

2018年2月26日には、このセグウィットの機能が組み込まれたビットコイン・コア(0.16.0)のソフトウェアが公開・リリースされたのです。ビットコイン・コアとはその名の通り、ビットコインのコア開発者たちのコミュニティです。

彼らは日々ビットコインをよりよく、利便性の高いものとするために開発・改良を繰り返し、その成果を公開しています。

今回のセグウィット完全サポートのソフトウェアリリースは、仮想通貨業界に刺激をもたらしました。

セグウィットで大きな期待が寄せられていることが、このセグウィットを基盤として、ビットコインの取引処理能力を高めることや、ブロックチェーンの外でも取引ができるライトニングネットワークといったオフチェーン技術を実現することです。

まだ試験段階ではありますが、ライトニングネットワークが実現・導入されれば、高速かつ高頻度の取引や、loTデバイスをつなぐネットワークの構築・連携などが可能となります。

仮想通貨界だけはなく、数々の垣根を超えたネットワークに新風をもたらしてくれるのかどうか、注目どころの新技術です。

対して、ブロックチェーンで取引処理を行うべき(オンチェーン)というスタンスを取っているのが、ビットコインのハードフォークで生まれた「ビットコイン・キャッシュ」です。

じつは、この「ビットコイン・キャッシュ」は、2017年ビットコインのハードフォークによって誕生しました。新しい仮想通貨はどのようにして生まれたのか、その経緯を追ってみましょう。

ビットコインのハードフォークから生まれた「ビットコイン・キャッシュ」

ビットコイン・キャッシュを生み出したのは2017年8月1日、BU派といったハードフォーク推進派とは別の、中国のマイナーたちのコミュニティ、ViaBTCです。

彼らはセグウィットを支持しないことを表明し、ハードフォークによる新しい仮想通貨の作成を宣言しました。

その少し前に妥協案を見出し落ち着きつつあった、BU派とビットコイン・コア側にとってまさに伏兵とも言えるべき動きでしょう。

ビットコイン・キャッシュは、セグウィット非実装ですが、1ブロックの容量を8MBが拡張されるなど従来のビットコインより高い処理能力を強みとしています。
さらに、新しい電子署名形式のフラグを導入したり、計算の難易度をビットコインよりも下げつつ、計算状況や速度に応じて難易度を調整したりするようなDAA(Difficulty Adjustment Algorithms)と呼ばれるアルゴリズムの導入などによって、徐々に頭角を現しました。

そして、2018年7月末、冒頭で述べましたとおり時価総額ランキング4位という実績を誇るまでに成長したのです。時価総額の妄信は安直ではありますが、仮想通貨全体の時価総額に占めるビットコインの割合「ビットコイン・ドミナンス(ビットコイン占有率)」を脅かしつつある存在として、ビットコイン・キャッシュは日に日に市場でのプレゼンスを高めているのです。

イーサリアムのハードフォークから生まれた「イーサリアム・クラシック」

仮想通貨の分裂を起こしてしまったビットコインと同様の現象は、イーサリアムでも起こっています。
2016年6月、ザ・ダオ(The Dao)というクラウドファンディングで資金を調達した資金ファンドが、悪意のあるハッカーにプログラムの欠陥(バグ)を突かれ、約50億円分の仮想通貨イーサ(ETH)を不正送金されたのです。

このとき、イーサリアムコミュニティはハードフォークを選択し、仮想通貨イーサが盗まれる前の状態にブロックチェーンを戻し、そこから別のブロックを分岐させる方法を選びました。

この結果、奪われたイーサは元の持ち主に返されることとなりましたが、これに異を唱えたのがハードフォークに反意を抱く一部のマイナーたちです。

彼らは、ハードフォークという歴史の塗り替えを否定し、元のイーサリアムのブロックチェーンを使い続けるという選択を行いました。その結果、ハードフォーク前の古い仮想通貨は「イーサリアム・クラシック(ETC)」という名称で仮想通貨界に残ることとなったのです。

ETC支持者は、ブロックチェーンのコミュニティが「特別なケース」を例外的に設定し、ブロックチェーンを「管理」することの正当性に対する疑問を提起し、ハードフォーク派を批判しました。さらに、「Code is Law」とプログラムにおいてコードは「法律」であるとする態度を示し、ブロックチェーンの中立性、いかなる存在にも影響を受けない非中央集権性を強調しました。

確かに、資金の不正送金という「特別なケース」が起こったとはいえ、コミュニティという人間の手が介入し、ブロックチェーンの歴史を安易に改変したという事実は、ブロックチェーンの持つ分散思想に反したものだと言わざるを得ません。

今日において、仮想通貨イーサ(ETH)と仮想通貨イーサリアム・クラシック(ETC)はどちらも存在し続け、ハードフォーク派とソフトフォーク派の論争も未だ収まりを見せることなく続いているのです。

ハードフォークとソフトフォークの概要と今後

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今回は、仮想通貨の「ハードフォーク」と「ソフトフォーク」について、それぞれの概要やちがい、具体的な事例などをかいつまんで解説させていただきました。

ハードフォークとソフトフォーク、それぞれにメリット・デメリットはあれど、経済的合理性か、ブロックチェーンが本来掲げた、人間の恣意的な介入を含むあらゆる第三者の介入を受けない、非中央集権思想の追求かによって、それぞれの派閥が対立していることがご理解いただけたかと思います。

また、今回挙げた例を見ていただければ、ハードフォークによって仮想通貨が分裂するからといって、旧仮想通貨の価値が必ず毀損(きそん)するのかと言えば、そうとは限らないことについてもお分かりいただけたかと思います。

実際、8月にビットコインが分裂した後も、旧来のビットコインの価値は保持され、未解決の問題が残っていてもなお、今も仮想通貨の時価総額ランキングにおいて首位を走り続けています。

今後、仮想通貨を通じた投資を行っていると、さまざまな「ハードフォーク」または「ソフトフォーク」に遭遇することがあるかもしれません。

その際は、仕様アップデートに至った経緯や、内容の詳細など技術面を注視し、市場への影響を短期・中長期のターンで分けて分析されることをおすすめいたします。その上で、ご自身の投資スタイルと合わせて売買を調整していただければと思います。

記事下「GMOコインコンバ」

【この記事を書いた女子会メンバー】

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