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2018.10.29 最終更新
研修生

あのロイズが仮想通貨市場に保険適用開始!機関投資家の参入もいよいよか?

ロイズ 保険

世界最大保険組合「ロイズ」が、Kingdom Trustと、仮想通貨の保険締結を始めました。ロイズが仮想通貨に対して保険をかける事で、機関投資家の参入が可能になる理由と、機関投資家が参入する事で仮想通貨市場がどうなるかを書いていきます。

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300年以上の歴史を持つ、世界最大保険組合「ロイズ」が今年2018年8月28日に、カストディ(仮想通貨管理機関)であるKingdom Trustと、仮想通貨盗難に関する保険の締結を発表し、注目を浴びました。

仮想通貨市場が冷え切っているタイミングでの、世界最大保険組合ロイズの仮想通貨市場とのコンタクトが、今後、どう言う影響を与えていくか、非常に興味深いですね?

今回は、保険組合のロイズと仮想通貨の今後の展開を、「機関投資家」にもフォーカスしながらまとめてみたいと思います。

ロイズと言う世界最大保険組合の仮想通貨参入

ロイズ 保険

まずはじめに、世界最大保険組合「ロイズ」とは何なのか、見てみましょう。

世界最大保険組合「ロイズ」とは?

ロイズが意味するところは、非常に複雑で、「国際的な保険市場」を指す場合と、「イギリス議会制定法によって法人化された団体」を指す場合の2つがあります。

そして、今回話題となっている「ロイズ」は、後者に該当します。

では、ロイズの成り立ちから見ていきましょう。

ロイズとはどんな保険なのか?

1688年にエドワード・ロイド氏が、ロンドンのタワー・ストリートに開いたコーヒーハウスから発展したロイズ。ここに貿易商や船乗りたちが、たむろする様になります。

そこで、ロイド氏が、最新の海事ニュースを発信してみたところ、どんどんと繁盛していく様になりました。

やがて、次第に保険引受業者のアンダーライターが集うようになり、保険取引の場として活用される様になっていきます。

その後、様々な危機的な状況に陥りながらも、ロイズは、イギリス独特の保険機構として、世界保険市場において、最も強力な保険業集団を形成する様になりました。

元々は、海上保険を中心に一時は独占的な強さを誇っていましたが、後々においては、火災利益保険・盗難保険・労災保険・自動車保険・航空保険の引受を積極的も引き受ける様になっています。

また、他の保険会社では引き受けられない特殊なリスクや、非常に珍しいユニークな保険を取り扱ったりしています。

例えば、胸毛がなんらかの理由で喪失した場合に、最高100万ポンドが支払われる「胸毛保険」とか。一体誰が入るのか?と思わず笑いたくなる様な、チャレンジングな保険もロイズならではです。

ロイズに関する記事は、こちらも参考にしてくださいね!

ロイズの組織構造

ちょっと複雑なのですが、ロイズ保険組合の構成は、以下の様になっています。

ネームと呼ばれる、出資して実際にリスクを引受ける人と、アンダーライター(保険引受業者)がいます。アンダーライターは、引受ける保険の内容を判断し、引き受けるかどうか、引き受ける場合の持分を、どれぐらいにするのかの判断をする役割です。

また、アンダーライターが所属するシンジケートがあり、そのシンジケートを管理・運営するマネジング・エージェント。そして、仲介業者のブローカー(保険契約の代理人)からなっています。

以上が、組織構造です。

ロイズのシステム

また、一般の保険会社とは異なり、ロイズの場合、ロイズ保険組合自体が、直接、保険引受業務を行うのではありません

それらの業務は、アンダーライターが行うのであって、ロイズ保険組合自体は、取引の場の提供と、保険業務に関する事務処理サービス全般を、会員に提供する役割のみを担っています。

この複雑なシステムは俗に、「われわれは個人としてはアンダーライターだが、全体としてはロイズである」という言い回しにあらわされています。

「ロイズが仮想通貨市場に保険適用開始」したとはどう言うことなの?

さて、今回のタイトルにもある、「あのロイズが仮想通貨市場に保険適用開始!」と言った場合のロイズも、「保険組合としてのロイズ」の話ではありません。

あくまでも、「保険組合ロイズに属する匿名のアンダーライター」との保険を締結、と言う意味であることを理解しておく必要があります。つまり、ロイズの場合、保険契約者は、直にシンジケートやネームにコンタクトを取るのではなく、ブローカーを通じて契約を結ぶと言うシステムです。

したがって、今回の契約は、カストディであるKingdom Trust(保険契約者)が、イリノイ州のSafe Deposit Box Insurance(SDBIC)と言う「ブローカー」を通して、保険組合ロイズに属する匿名の「アンダーライター」との保険を締結したと言う形になります。

実にややこしいですね(笑)

ロイズ仮想通貨市場に参入で機関投資家はどう動くのか?

ロイズ 保険

では、本題に入りましょう。

Kingdom Trustが、ロイズと保険締結

2018年8月28日、カストディ(仮想通貨管理機関)である、Kingdom Trustが、イリノイ州のブローカーである、Safe Deposit Box Insurance(SDBIC)を仲介として、世界最大の保険組合「ロイズ」に属する匿名のアンダーライターと保険締結を行いました。

保険が適用されるのは「資産の盗難と破壊を防止するための保険」と言う事です。

Kingdom Trustの最高経営責任者であるマット・ジェニングスCEOは、ロイター通信に、以下の様な喜びのコメントを発表しました。

当社は創設当初から、保険こそこの市場(仮想通貨)の機関投資家を引き付ける主要な要因とみてきた

しかし、興味深いのは、このマット・ジェニングスCEOのコメントに対して、世界最大手保険会社ロイズのスポークスマンは、コメントを控えたと言う点です。

「えっ?提携していて、コメントもなしなの?」と思いますよね?この辺りに、今後の仮想通貨の行方がどうなるか、読み解く糸口があると言えるのかも知れません。

そのお話は、後半部分で書いていきますので、最後までお付き合いくださいね。

さて、マット・ジェニングスCEOは、「2010年に開始して以来保険を探していたが、過去1年間に積極的にカバレッジ(適用範囲・保証範囲)を追求していた」とも述べており、同CEOの執念が、保険業界の重たい腰を上げさせたと見ることも出来るでしょう。

ただし、同CEOは、Kingdom Trustの保険を引き受けてくれた、アンダーライターの保険会社の名前を明らかにしませんでした。

同時に、契約に関する条件や費用に関しても、明示しなかった様です。

まだまだ、ロイズ本体自体が、両手を上げての大歓迎と言う雰囲気ではないからでしょうか、公にするのは時期尚早と考えているのかも知れません。

その一方で、前出のロイター通信社に対し、保険締結にあたり、「大幅な割引」を受けられたのは、Kingdom Trustが、デジタルコインの保管を行うにあたり、「コールドストレージ(オフラインの状態で管理する仮想通貨用のウォレット)」を採用しているからだと、その理由を述べています。

確かに、これまでに起きた、仮想通貨取引所へのハッキング問題のほとんどが、ネット上に仮想通貨を保管する方法、「ホットストレージ」で行われている事実は周知の事となっています。

したがってKingdom Trustが、「コールドストレージ」を採用していると言う点が、ロイズとの契約に有利に働いたと考える事が出来るでしょう。

Kingdom Trustとは?

ロイズ 保険

そもそも、Kingdom Trustとは、どんな団体なのでしょうか?

Kingdom Trustは、アメリカのケンタッキー州にある会社です。業務的には、デジタル資産投資のための適格受託を提供する最初の「規制された金融機関」という立場を取っています。

また、創業は2010年で、ビットコインやイーサリアムをはじめ、約30種類の仮想通貨のカストディーサービスをしています。

公式サイトによれば、顧客数は10万人、預託資産は120億ドル(1.3兆円)と言う事です。

今の仮想通貨市場規模が、23兆5000億(※2018年10月26日現在、コインマーケットキャップより)と言うことを考えれば、その規模の大きさが理解できると思います。

マット・ジェニングスCEOは、

「われわれは機関および個人の投資家の双方に、質の高い保管サービスを提供しており、クライアントに対して明白かつ透明な報告書によるコンプライアンスが可能となる仕組みを提供している」

と述べています。

カストディーとは?

さて、Kingdom Trustはカストディーサービスを提供していると述べました。仮想通貨の最近のニュースなどでもこの「カストディー」と言う言葉を良く聞く様になりました。

では、この「カストディー」とは一体何なのでしょうか?

カストディーの定義

従来は、証券投資を行う投資家の代理人として、有価証券の保管や売買にかかわる決済、あるいは元利金、配当金の受け取りや、決議権の行使など、幅広い業務を提供するサービス全般のことを指している言葉です。

したがって、当然の事ながら、「カストディー」と言う用語は、仮想通貨独自の用語ではなく、投資に関する概念として、長きに亘って全ての金融市場と投資市場では、極めて重要な役割を担ってきたと言う事ができます。

そして、投資家に代わってカストディーを行う機関のことを「カストディアン」と呼びます。

通常、金融市場におけるカストディアンは、クライアントの資産を保有する第三者機関であり、具体的には、銀行や信託会社を指しています。

そして、一般的に、銀行や信託会社は、「資格を持つカストディアン」として、しっかりと規制を受けているため、クライアントは安心して資産を預ける事ができる訳です。(※ただし、その銀行などにクライアントが不信感を募らせれば、その資本が仮想通貨に流れてくる場合もあります)

したがって、カストディアンにとって、最も必要とされる要項は、「安全性」と「透明性」の2点であり、仮想通貨市場においても、金融を対象とする限り、この定義から外れる事はあってはならないはずです。

カストディーサービス に関する記事は、こちらも合わせてお読みください。

仮想通貨市場におけるカストディーの問題点

しかし、実際のところ、仮想通貨とその根幹をなすブロックチェーンの最大の特徴は、そもそも「第三者」を交えずに、ピアツーピアで、ダイレクトな取引をする事が前提の新しいシステムでした。

そのため、「安全性」や「透明性」を担保する、第三者機関と言う観点は初めからなおざりにされていた点が、まさしく仮想通貨の世界だったと言えます。

ゆえに、仮想通貨においては、多くの場合、資産を守るのは各々が自己管理すべきものとして、特にセキュリティーに関しては、自己の責任と言う部分が非常に強調されて来ました。

また、仮想通貨の取引をする上では、何の規制もない状態の取引所に多額の資産を預けると言うスタイルだったため、それぞれの取引所によって、仮想通貨の保管のシステムは一任されており、何らの規制やルールもないまま莫大な資産を預かっていたと言えます。

つまり、今日まで起きてきたほとんどのハッキングによる巨額の盗難は、この問題を巧妙に突いた犯罪だったと言う事が出来るでしょう。

なお、過去のハッキング事件については、こちらを読んでみてください。

機関投資家が仮想通貨市場にこれまで参入しなかった理由

ロイズ 保険

結局、仮想通貨の所有者は、今日まで、自分自身の資産の保護や、取引に必要な秘密鍵、パスワードの管理を自分自らの責任において行わなければならいがために、セキュリティーに対するかなり高度な知識がなければなりませんでした。

したがって、誰もが気軽に参加できないと言う問題が存在すると言う事です。

もし、資産家及び機関が、この様な「セキュリティーに関する十分な知識」を持ち合わせていなければ、常にハッキングによる被害を被る危険性が、横たわっていると言えるでしょう。

また、同時に、万一、災害に遭った場合を想定してみると、秘密鍵を壊してしまったり、秘密鍵を記録している媒体を喪失してしまった場合、どうなってしまうのでしょうか?その資産は、誰からも保証してもらう事もできずに、永遠にサイバー空間を漂う「浮遊霊」となってしまう可能性が十分考えられると言うのです。

事実、あのホリエモンも、秘密鍵を失くしてしまい、イーサリアムを取り出せなくなったと言うエピソードは有名ですね。

この様にカストディーサービスが未発達の、危険性を孕んだ仮想通貨市場に、機関投資家が果たして参加したいと思うでしょうか?それはほとんど考えられませんね。

結局は、このカストディ問題が解決しない限り、機関投資家の仮想通貨市場への参入は見込む事ができなかったと言えるでしょう。それゆえに、最近、様々な好材料や、グッドニュースが日々伝えられても、市場拡大がなされなかったのだと言えますね。

前述のKingdom Trust、マット・ジェニングスCEOは、次の様に述べています。

規制された被保険金融機関による適格保有は、機関がデジタル資産市場に投資する最優先課題であり、重要なハードルです

つまり、機関投資家が仮想通貨市場に参入する上での、最優先課題は、保険機関によってしっかりと保証されるシステムを構築することだと言う事が出来るでしょう。

したがって、今回、ロイズが仮想通貨に対する保険を適用したと言う事が、如何に画期的な事か、理解できるはずです。

再び、Kingdom Trustのマット・ジェニングスCEOの言葉を引用すれば、

ロイズのような信頼性のあるスペシャリストを私達のプラットフォームに追加することで、既存、そして将来的な顧客に高いセキュリティを提供し、機関投資金融にも対応する完全な安全管理を行うことができるようになる。

したがって、今回のロイズの保険が仮想通貨に適用されたと言う事が引き金となり、機関投資家の参入のハードルが下がってくる下地ができつつあると言えるでしょう。

ロイズの参入で、仮想通貨市場はどうなるのか?

ロイズ 保険

それでは、前述した、マット・ジェニングスCEOのコメントに対して、ロイズのスポークスマンが、コメントを控えたと言うエピソードから、ロイズの参入が、仮想通貨市場にどの様な影響を与えるのか、予測してみましょう。

ロイズのスポークスマンがコメントを控えた理由

まずは、なぜ、ロイズのスポークスマンが、コメントを差し控えたのかをみてみましょう。ロイター通信社が、マット・ジェニングスCEOにインタビューしたのが、今年8月28日。なので、ロイズのスポークスマンのノーコメントは、同日かそれ以降の話です。

ところで、コインチョイスの発表によれば、

ロイズ保険組合自体は、7月に、すべての会員に向けて、「仮想資産に関して最新の注意を払い、リスクを適切に測るために、専門家を立てる」よう注意勧告を行っていた。

というのです。

したがって、このニュースが発表された時点でのロイズ保険組合のスタンスとしては、アンダーライターの一つの保険会社が、Kingdom Trustと締結したと言う事実は認めつつも、本音の部分においては、仮想通貨に対するネガティブなイメージを払拭し切れていないと言う事なのでしょう。

その意志の現れが「ノーコメント」と言う態度だったとすれば、合点がいくではないでしょうか?

ロイズの今後の動向

そして、このエピソードにはまだ、続きがあるのです。

SDBIC(Safe Deposit Box Insurance)の公式サイトによれば、同社社長のジェリー・プラード氏は、保険組合ロイズの仮想通貨業界への参入は、もう止められないものとなりつつあることを示唆したと言うのです。

このSDBICは、ブローカーとして、今回のKingdom Trustと、ロイズの組合員であるアンダーライターとの保険の締結の仲介者です。

さらにジェリー・プラード社長は、ロイズの内部事情をこの様に暴露しました。

約10つのシンジケートが、仮想通貨業界への進出に関心を持っている。その中でも5つのシンジケートは、仮想通貨業界に存在するリスク分析を充分にこなせる専門知識を有し、他の5つのシンジケートもそれに追尾する形で位置している。
多くの人々は、ホットウォレットやウォームウォレットと呼ばれる類のものに対しての保険を求めており、実際一部の人は、ホットウォレットなどをコールドウォレットと称している。
しかし、おそらく保険業界は、秘密鍵周り全体を安全に管理する包括的な管理方法を求めているのではないか。

更には、ロンドン市場には、仮想通貨市場参入を検討しているシンジケートが、他にもたくさんあるのだそうです。

つまり、保険と言う極めて「保守的な立場」の業界が、仮想通貨市場に対して、どんどんと食指を伸ばし初めていると言う現象に他なりません。その様な前向きなロイズのシンジケートの動きは、今まで最大の課題となっていた「安全性」や「透明性」を担保する事が可能になりつつあると言う事を意味します。

そうすると、いよいよ機関投資家が仮想通貨市場に参入する下地がまた一つ出来る様になったと考えられるのではないでしょうか?

北尾社長はツイッターでこの様に述べています。

保険組合と機関投資家が織りなす仮想通貨市場の今後

ロイズ 保険

2018年に入り、仮想通貨市場は90兆円規模から23兆5000億円と、非常に厳しい状況に追いやられて来ました。大きな理由は機関投資家の参入がなされていない事にあると、なんども触れて来ました。

機関投資家が参入を止まっている、最大の理由は、「安全性」や「透明性」にあったと言う事も上述した通りです。

しかし、ようやく、2018年の終わりが近くにつれて、仮想通貨市場の最大の課題、カストディーに対して、問題解決の糸口が見え始めました。世界最大の保険組合ロイズのアンダーライターが、遂に仮想通貨に関する保険を締結したのです。

そして、保険組合の仮想通貨に対する警告をよそに、5つのシンジケートが、リスク分析を充分にこなせる専門知識を持つ様になり、その他のシンジケートも追随する形をとっています。

この様にして、保守的な立場の保険業界が、仮想通貨市場に名乗りを上げた以上、この流れはもはや止める事は出来なくなるでしょう。

さらに加えて、10月15日、世界最大の投資会社であるフィデリティは機関投資家に向けた仮想通貨サービスを開始することを発表しました。

ここに、かねてからの懸案事項である、ビットコインETFの承認などがなされれば、仮想通貨市場のインフラ整備がしっかりと整い、機関投資家に向けての仮想通貨の水門が、開かれる様になって来るのも時間の問題と言えるでしょう。

イギリスの名言

The darkest hour is just before the dawn.(夜明け前が一番暗い)

は、まさしく今の仮想通貨市場の状況を的確に表現していると言えるかも知れません。

なお、機関投資家に関しては以下の記事も参考にしてくださいね。

最終更新日:2018年10月29日

【この記事を書いた女子会メンバー】

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