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2018.11.01 最終更新
研修生

仮想通貨の規制はこれからが正念場。金融庁が仮想通貨交換事業所審査プロセスを公開!

仮想通貨規制

仮想通貨取引所の審査はコインチェックのNEM流出以来、規制が厳格化され、新たに認可された取引所はまだありません。規制の厳格化が仮想通貨市場の足を引っ張っているとの見方もあります。金融庁が公開した登録審査プロセスの狙いはどこにあるのかを検証してみました。

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金融庁が規制強化に踏み切ったのはコインチェックのNEM流出事件がきっかけ

2018年1月にコインチェックから日本円で580億円に相当するNEMがハッキングによる流出を受け、金融庁は仮想通貨に対する規制を強化することを決定しました。

規制強化された内容は

  • 審査書類の質問項目を4倍近い400項目に増加
  • 財務の健全性・システム管理など各項目に関する取締会の議事録提出の義務付け
  • 株主構成の定期的調査
  • 反社会的勢力との関わりの社内体制の有無

といったことが盛り込まれています。

コインチェックの事件後も業務改善命令を受けた仮想通過取引所が続出しました。各取引所が受けた業務改善命令の主な内容は以下のようになります。

取引所名 改善指摘内容
BITPOINT 業務拡大を優先し、顧客から預かった資産が帳簿上の残高を下回る状態の解消に具体的な解決策を検討していない。マネーロンダリング、テロ資金供与対策、利用者保護対策、システムなどの管理対戦がずさんとの指摘をうける。
BTCBOX 業務拡大を優先し、権限が代表取締役一人に集中し、取締役会・取締役が責務を果たしていない。マネーロンダリング、テロ資金供与対策、反社会勢力との取引防止対策、システムなどの管理対戦に問題があると指摘された。
Bitbank 業務拡大を優先し、社内規定と業務の内容がかけ離れている、顧客の資産保護、マネーロンダリング、テロ資金供与対策においても問題があると指摘された。
bitoFlyer コスト削減を優先し、内部監査・取締役会が機能していない。登録審査に事実と異なる説明をしていた。ほかにもマネーロンダリング、テロ資金供与対策、利用者保護対策、システムなどの管理対戦のずさんさを指摘された。
QUOINE 仮想通貨交換業務を委託している子会社に適正・確実な業務遂行するための措置をこうじていない。法定帳簿が長期にわたり未完成のままであった。マネーロンダリング、テロ資金供与対策、反社会勢力との取引防止対策、などにも問題があると指摘された。
Zaif システム障害の頻発に対し計画的な対応が行われていない。マネーロンダリング、テロ資金供与対策、利用者財産の分別管理などが適切に行われていないなどの点が指摘された。

Zaifは後にハッキングに遭い、顧客の資産約45億円を含む70億円相当の仮想通貨が流出しました。コインチェックとZaifは、消費者保護の意識が薄い利用規約も問題になっています

現在、コインチェックはすでに利用者への弁済を終了し、マネックス証券の傘下に入り事業再開を目指しています。Zaifは株式会社フィスコに事業譲渡終了後、顧客の損失分の補償が始まるものと思われます。

コインチェックとマネックス証券についての詳細はこちら!

83ページに渡る膨大な質問事項で取引所に問われていることとは

このときの規制強化の影響で、かなりの数の仮想通貨取引業者が登録申請を断念したといわれています。

現在登録申請を進めている取引業者は、今のところ50社ほどあるようです。金融庁は今回、仮想通貨取引所の登録審査プロセスと質問内容を公表しています。

登録審査の大まかな流れを見ても、利用者財産の分別管理、利用者保護措置、システム管理など、消費者保護を目的とした規制を前提にしていることが伺えます。

質問事項は83ページにもなる膨大な量ですが、中でもセキュリティ対策、利用者財産の分別管理にかんする規定には多くの質問事項がもうけられています

業務改善命令を受けた取引所に事業拡大偏重の取引所が多かったためか、顧客へのリスクの説明、広告宣伝・勧誘の規制についても詳細な質問が設定されていました。これだけの条件をクリアするとなれば、確かにかなり時間がかかりそうです。

金融機関並みの規制が求められる仮想通貨取引

仮想通貨規制
規制強化の後、大手証券会社の仮想通貨取引業者の買収・業務提携が相次ぎ、NEMが大量流出したコインチェックもマネックス証券の傘下に入りました。10月29日に利用規約を大幅改定したことを発表し、営業再開が近いのではと期待されています

コインチェックの利用規約の新旧対照表

日本の仮想通貨市場は、2018年6月に施行された「改正資金決済法」により、異業種からの参入も相次いだことで急激に拡大しました。仮想通貨取引はそのスピードに規制がまだ追いついていないのが実情です。

仮想通貨取引は顧客の大事な資産を安全に保管・管理する義務があり、仮想通貨取引所が従来の投資と同レベルの取引環境を整えるのが急務となっています。

仮想通貨業界は慢性的な人材不足!

規制以外に仮想通貨市場が抱えている大きな問題が人材不足といわれています。業務改善命令を受けた仮想通貨取引所のほとんどが共通して指摘を受けているのが、リスク管理や法令順守(コンプライアンス)意識の希薄さです。

仮想通貨取引所は異業種からの参入も多くセキュリティや金融の規制に精通した人材が不足しているといわれています。

金融庁も審査のさいに金融業会出身の人材確保を促しているようです。仮想通貨取引所が証券会社の傘下に入ったり事業提携を結ぶのは、そのような事情も関係しているのでしょう。

規制を強化するだけでなく、人材の確保・育成の指針も必要になりそうですね。

仮想通貨の適切な規制が安全な市場をつくる!

日本の仮想通貨市場は不祥事が連続したことと規制強化が優先されて、勢いを失っています。しかし、世界に先駆けて仮想通貨取引の規制を作ったのも日本です

ここで仮想通貨の規制をしっかりと定めて、安全な環境を作ることができれば、日本だけでなく世界の機関投資家を日本の仮想通貨市場に集めることも不可能ではなくなります

コインチェック、Zaifの事件以来、新規に参入する企業もなく、仮想通貨市場は停滞気味ですが、新しい産業に紆余曲折はつき物です。今が仮想通貨市場の安定した基盤を作るための重要なターニングポイントなのかもしれません。気長に見守っていきましょう。

仮想通貨規制の詳細記事はこちらをどうぞ!

最終更新日:2018年11月01日

【この記事を書いた女子会メンバー】

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