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2018.12.23 最終更新
さおりん

【2018年】金融庁が仮想通貨規制の新しい草案を発表!今後の仮想通貨規制の流れを徹底解説

金融庁,仮想通貨,規制

金融庁が主催する「第11回 仮想通貨交換業等に関する研究会」が開催されました。今回の研究会は第1回から開催された内容の総括に当たるもので、これからの仮想通貨規制の草案が発表されました。
そこで「第11回 仮想通貨交換業等に関する研究会」で発表された草案を基にして、今後の仮想通貨規制の方向性を探っていきたいと思います。

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こんにちは!さおりんです!「金融庁」というと、仮想通貨ユーザーには目の敵みたいに思われていますが、実はユーザーを守るために新しい草案を発表してくれたのです。ここではその草案とは何かをご紹介しますね!

現在の仮想通貨取引を取り巻く課題とは!?

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2018年12月14日、金融庁主催で「第11回 仮想通貨交換業等に関する研究会」が開催されました。

「仮想通貨交換業等に関する研究会」は、現在の仮想通貨取引に関するトラブルが続出している状況を鑑みて金融庁が2018年3月に設置した研究会です。仮想通貨交換業等に関する研究会には、金融庁・仮想通貨交換業者・仮想通貨技術の研究者など多くの有識者が集まり、今後の仮想通貨規制の新しい枠組みが話し合われています。

「仮想通貨交換業等に関する研究会」において挙げられた現在の仮想通貨取引を取り巻く課題としては、主に7つを挙げることができます。

①仮想通貨取引所の管理体制
②仮想通貨取引所の業務
③仮想通貨の取り扱い
④不公正な仮想通貨取引
⑤仮想通貨ウォレット事業者の在り方
⑥仮想通貨デリバティブ取引等への対応
⑦ICO規制

マネーロンダリングの疑いがかかる取引件数の増加や仮想通貨取引に関する価格操作など、仮想通貨に関するトラブルは消費者庁や金融庁に多数報告が挙がっています。しかし、テクノロジーが日々進化を続け、詐欺の手口が巧妙化している中で規制を具体化して取り締まりを行う事は非常に難しいところがあります。

そのような複雑な状況の中で、金融庁及び仮想通貨等交換業に関する研究科は最善を尽くして考え抜き、新しい仮想通貨規制の草案を発表したのでした。

以下では「第11回 仮想通貨交換業等に関する研究会」において提示された、仮想通貨規制に関する草案を基にした今後の仮想通貨規制の方向性について解説していきたいと思います。

参考:「仮想通貨交換業等に関する研究会 報告書(案)

(※⑦「ICO規制」については別記事にて解説しています。また、今回は仮想通貨交換業等に関する研究会で発表された草案を基にした仮想通貨規制の方向性を推測したもとなっています。)

①仮想通貨取引所の管理態勢の是正

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仮想通貨取引所の管理態勢が問題を抱えているという事実は、2018年1月に仮想通貨NEMを流出させてしまったコインチェック流出事件の後に行われた金融庁の立ち入り検査で明らかになりました。

立ち入り検査後の2018年3月~6月にかけて、金融庁が多くの仮想通貨交換業者(取引所)に行政指導を行ったことからもいかにずさんな管理態勢であったかが分かります。「第11回 仮想通貨交換業等に関する研究会」では、仮想通貨取引所が改善すべき管理態勢の項目がふれられています。

仮想通貨流出リスクへの対応「返済計画を作成」

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仮想通貨に関する事件といえば、マウントゴックス、コインチェック、ザイフといった取引所の仮想通貨流出事件を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

仮想通貨はインターネットを通じて取引が行われるため、常にハッキング・リスクに遭わないための対策が必要となります。

ただ、緊急で仮想通貨を売買しなくてはいけない事もある顧客の要望に応じようとすると仮想通貨の管理をオフラインで行うわけにはいきません。

ハッキングに遭わないための対策を講じることは勿論の事ですが、取引所はハッキングに遭った仮想通貨や相当する資金を投資家に返済する計画を立てる必要が出てきました。

具体的には、

・仮想通貨を流出した時の返済方法の公表
・ホットウォレットで預かった仮想通貨に相当する以上の純資産額及び仮想通貨の保持
・倒産時には顧客から預かった仮想通貨の返還請求が優先的に行われる

という3つの事を遵守しなければ、取引所は仮想通貨交換業を行えなくなります。顧客からの預かり資産以上の資産を保有していれば、最低限の投資家保護は守られることになるでしょう。

分別管理の厳格化「財務諸表の開示」

マウントゴックス事件の反省から、取引所は会社資産と顧客資産の分別管理を行う必要があります。

しかし、実際には取引所はマウントゴックス事件の反省を全く生かしていなかったようです。金融庁の立ち入り検査では複数の取引所が顧客資産を流用していた事実が確認されたのでした。

仮想通貨取引所が保有する会社資産と預かった顧客資産の分別管理を徹底させるため、取引所は財務書類(貸借対照表や損益計算書)の開示を行う事になります。また、顧客から預かった資金を私的に流用させないために、顧客資産は信託銀行に預けなくてはいけなくなります。

また、将来的には顧客から預かった仮想通貨も信託銀行のようなところに預けて、取引所の仮想通貨と顧客の仮想通貨も分別管理する計画も挙がってきています。

仮想通貨が銀行業務を奪っている面もありますが、今後仮想通貨が大きく普及した場合にはこの仮想通貨信託サービスは銀行にとって新しいビジネスチャンスとなりそうです。

②仮想通貨取引所の業務の適正化「正確な情報の提示と説明義務」

一部の仮想通貨取引所では、正確な情報を提示しなかったため顧客が妥当でない価格で取引を行ってしまう事例が確認されています。

仮想通貨交換業等に関する研究会は、仮想通貨取引の透明性を高める必要があるとして、仮想通貨取引所の業務適正化を提言しました。

具体的には、

・販売所が提示する相対取引価格(売値と買値)及びスプレッド(売値 と買値との差)の提示
・取引所における「約定価格」「気配値」「当該約定価格と販売書での相対取引価格との差」の提示
・認定協会が算出する参考価格と販売所の相対取引価格との差

といった事が挙げられます。

また、顧客同士の取引が行われる仮想通貨取引所に取り次いだはずが、実際には仮想通貨交換業者が
顧客同士の仮想通貨取引に介入して仮想通貨を売買をするなどの不適切な取引が行われていた事例も確認されています。

仮想通貨交換業等に関する研究会は、このような不公正な取引の対策として、

・仮想通貨取引所が自ら運営する「顧客間取引のマッ チングの場」に参加する事がある場合には、理由を顧客に説明する事。
・「顧客間取引のマッ チングの場」で注文を受けたにも関わらず、自己(仮想通貨交換業者)が相手方となって取引を行う場合には、その理由とその取引が最良の条件である理由を顧客に説明すること。

という2つの説明義務を取引所に負わせることにしました。

仮想通貨取引所・販売所で取引されている仮想通貨には大きな利益がのって売買されていた可能性が指摘されていました。この是正によって、顧客は正しい情報を基にして仮想通貨の売買を行うことができるようになるでしょう。

③問題のある仮想通貨の取扱禁止

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仮想通貨交換業等に関する研究会では、一部の匿名仮想通貨など「問題のある仮想通貨」と認められた仮想通貨の取り扱いを禁止することになります。ただ、どのような仮想通貨が「問題のある仮想通貨」に該当するのかは一概に判断できないため、金融庁と認定協会(一般社団法人日本仮想通貨交換業協会 )が連携して取り扱いを許可するかどうかの判断を下すことになりました。

どこの仮想通貨取引所でも口座を開設する際には身分証明書の提示を求められるため、取引所の口座と特定の人物とは紐づいています。ビットコインやイーサリアムなど、取引記録がブロックチェーン上に公開されている仮想通貨は取引記録を辿って行く事で送金先の人物を特定することができます。

しかし、『ダッシュ(DASH)』『モネロ(Monero)』『ジーキャッシュ(Zcash)』といった「匿名仮想通貨」は、特殊な暗号技術が使用されていて取引記録や保有残高がブロックチェーン上に公開されないようになっています。

匿名仮想通貨は違法取引やマネーロンダリングに利用される事もあるので、金融庁は匿名通貨を「問題のある仮想通貨」とみなしています。

また、これまでは仮想通貨取引所が取り扱い通貨を変更する時には事後届出が許可されていました。

しかし、取引所が新しい仮想通貨を取り扱う前に審査を行った方が混乱が少なくなるため、取引所が新しい仮想通貨を取り扱う場合には金融庁に事前届出を行って審査されることになりました。

④不公正な仮想通貨取引への罰則(金融商品取引法の適用)

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仮想通貨の不公正な取引については、金融商品取引法の罰則が広く適用される可能性が高まっています。仮想通貨取引における不公正な取引の実態としては、

・仮想通貨取引所の未公表情報(新規仮想通貨の取扱開始)を外部に漏らして利益を得る。
・SNSを通じて特定の仮想通貨の売買をコントロールして、不当に価格を操作して利益を上げる。

といった事例が確認されています。株式などの金融商品で上記のような行動をとった場合、金融商品取引法において禁止されている行為に該当するため罰則が適応されます。

しかし、仮想通貨は有価証券ではないため金融商品取引法の規制が適用されませんでした。

仮想通貨交換業等に関する研究会は、仮想通貨にも「顧客間取引のマッ チングの場」が提供されている事から株式などの金融商品と同様の規制が必要であると判断し、以下のような仮想通貨の不公正な取引についても金融商品取引法の罰則が適用されることになりました。

・ 不正行為(不正の手段・計画・技巧、虚偽表示等による取引、虚偽相場 の利用)
・ 風説の流布、偽計、暴行又は脅迫
・ 相場操縦(仮装売買、馴合売買、現実売買・情報流布・虚偽表示等による相場操縦)

しかし、仮想通貨によるインサイダー取引を金融商品取引法で規制する事は厳しいようです。

仮想通貨はインターネットを通じて世界中に存在しており、価格の変動要因や未公表の重要事実を特定することには困難であるとして、金融商品取引法が仮想通貨のインサイダー取引に適用されるとは示されていませんでした。

⑤仮想通貨ウォレット事業者も仮想通貨交換業の登録が必要に!

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これまでは顧客の仮想通貨を管理・送金するウォレット事業を行うには特別な許可を取る必要はありませんでした。しかし、仮想通貨ウォレット事業はこれから仮想通貨交換業者として金融庁の許可を得なければウォレット事業を行えなくなります。

仮想通貨のウォレット事業は、「ハッキングによる顧客の仮想通貨の流出」「ウォレット事業の破綻」「テロや反社会組織によるマネーロンダリングといったリスクを抱えています。

そのため、ウォレットの事業者も仮想通貨交換業と同様の管理義務が生じると判断されました。また、国際的にも協力して仮想通貨に関する犯罪を取り締まるため、FATF(金融活動作業部会)は各国の仮想通貨ウォレット事業者の登録制又は許可制を要求していました。

金融庁や仮想通貨交換業等に関する研究会もFATFの要請に応じて、仮想通貨ウォレット事業に対しても仮想通貨交換業としての登録を義務付けました。

これによって仮想通貨ウォレット事業者においてもマネーロンダリング等の疑わしい取引の届け出義務や内部管理態勢の整備、分別管理、財務諸表の開示といったことも行う必要が出てくるようになりました。

⑤仮想通貨デリバティブ取引等への対応

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仮想通貨の証拠金取引のレバレッジは最大4倍に!?

仮想通貨交換業等に関する研究会は、ボラティリティ(価格変動幅)が大きい仮想通貨で25倍ものレバレッジをかけて証拠金取引を行っている事は不適切と指摘しています。具体的な数字は草案の中で明らかになっていませんが、仮想通貨認定協会の自主規則規制には一律4倍と記載されているため、今後は仮想通貨における証拠金取引は最大4倍となる事が予想されます。

(※EUにおける仮想通貨の証拠金取引の上限は2倍である事からも、いかに日本の仮想通貨証拠金取引のレバレッジが高いかが分かります。)

また、他の金融商品の証拠金取引には第一種金融商品取引業の免許が必要となるため、免許を持っていない事業者は自ら免許を取得するか免許を保有している事業者と提携しない限り、仮想通貨の証拠金取引は行えなくなります。

仮想通貨の信用取引も証拠金取引と同様の規制

仮想通貨の信用取引については規制は設けられていません。しかし、仮想通貨の信用取引は証拠金取引と同様の損害リスクを抱えているため、仮想通貨の信用取引においても証拠金取引と同様の規制適用されることになります。

なお、金融庁関連の記事は他にもあります。これは自主規制団体を認可した話題です。

仮想通貨取引における投資家保護が高まる

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今回の金融庁及び仮想通貨交換業等に関する研究会から出された仮想通貨規制の草案は一貫して投資家を守る視点での規制が敷かれているように感じました。改正資金決済法の範囲内で解決することが難しい事例に対しては、金融商品取引法を持ち出して上手く仮想通貨取引に対応しているようでした。

今後はこの投資家保護と仮想通貨技術の発展のバランスを取る事です。金融庁と仮想通貨交換業等に関する研究会には日本を世界有数の仮想通貨・ブロックチェーン大国に導くための有効な舵取りが求められます。

さおりんさおりん

仮想通貨ユーザーを守るだけではなく、金融庁は日本を世界有数の仮想通貨とブロックチェーン大国にするため、日々奔走してくれているのですね!怖いイメージだったけど、なんだか頼もしいわ!

なお、金融庁のハッキング被害の補償に対する記事もあわせてどうぞ!

最終更新日:2018年12月23日

【この記事を書いた女子会メンバー】

さおりん
いつも暴走するゆいに手を焼かされてるゆいの相方のさおりんです。大変だけどおかげで仮想通貨を早く始められたし良い友達です(๑•᎑•๑)今はけっこう真面目に仮想通貨に取り組んでます。
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