-
3 Tweet
-
G20大阪サミットが6月開催!世界各国の政府は仮想通貨やブロックチェーンをどうみているのか?

2019年6月後半にせまったG20大阪サミット!その前に同年6月8日、9日とG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されました。今回は仮想通貨やブロックチェーンに対する世界各国の対応や状況レポートを中心にご紹介します。

こんにちわ、さおりんです。2019年6月後半に注目のG20サミットが大阪で開催されるにあたって、6月8日から開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議内容(仮想通貨・ブロックチェーンへの各国の対応)を中心にご紹介します。
目次
G20大阪サミットが開催!日銀総裁が述べる仮想通貨デジタル課税とは
世界中から注目が集まっているG20大阪サミットが、2019年6月28日、29日に開催予定とされ話題を呼んでいますね。
同年6月8日に、福岡で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議では、世界経済や金融サービス、各国の規制強化などといった様々な議題について話し合いがされました。
G20直前、日本銀行の黒田総裁は、世界的な経済状況の分析やそれに対する対策、仮想通貨を利用したデジタル経済、金融規制が主な議題になるだろうと述べました。
すでに6月8日午前中には、麻生副総理などの主要人物が参加し、「Google」や「Apple」などの多国籍企業などが関連するデジタル課税関連のシンポジウムが開催されました。
麻生氏によると、現状、日本を含む世界経済は、急速なデジタル化に対して国際課税が追い付かない状況とした上で、「デジタル化する事により一部の多国籍企業は税負担が軽減されている」と述べました。

現在、仮想通貨に対する規制は各国によりバラバラであるため、国家単位で規制するよりも多国間で規制するべき点も訴えています。
今回は、6月に開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議の内容、重要項目、今後のポイントなどをわかりやすく解説していきます。
G20に仮想通貨の父の一人暗号学者「アダム・バック氏」が登壇
2019年6月8日、「仮想通貨ビットコインの重鎮」「仮想通貨の父の一人」と称されるブロックストリーム者代表「アダム・バック氏」が、G20のセミナーに登壇しました。
登壇したバック氏は、主に現状の仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーン技術と金融インフラの違いについて説明しましたので、ここではいくつか要点を絞って解説します。
仮想通貨ブロックチェーン革新の大きなポイント
バック氏は、日本金融庁の遠藤長官の冒頭発言で始まった「デジタル世代の未来」セッション2回目に、オランダ中央銀行総裁クラス・ノット氏などと登場しました。
Cypherpunk Adam Back Speaks of Blockchain Benefits at G20 Meeting of Finance Ministershttps://t.co/BgPgx6Iy1B pic.twitter.com/nB0fnIJguk
— CoinUp24 (@CoinUp24) 2019年6月10日
そして登壇後、現在の金融インフラに対しては、仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーンの革新が非常に重要なポイントとなり「安全なトークン化である」と解説しています。
また、安全なトークン化が進む事により、従来の仲介業者を信用する必要が無くなる点を指摘し、国際送金時に仲介業者を利用しなければいけない現状を心配しているようです。
ただ、仮想通貨のブロックチェーン技術を活用する事で、こうした仲介業者を通して国際送金をする手間が省けるため、バック氏は、安全なトークン化により規制機関も有益なものになると解説しました。
日本円に100%連動するステーブルコイン発行を計画中!?
2019年1月21日、デジタルガレージの子会社でブロックチェーン金融サービス提供をしている「クリプトガレージ」にて、仮想通貨と法定通貨建てトークンの同時決済サービス実証実験を開始すると発表がありました。
バック氏は、このクリプトガレージで、日本の規制サンドボックス(少数の消費者を対象に期間限定でテストできる保護領域)を使用し、日本円と100%連動するステーブルコインを発行する計画を発表しています。

近年、ブロックチェーンを活用したフォーマットにより、法定通貨である日本円やアメリカドル、ユーロがステーブルコインとして発行される重要性を指摘したのです。
仮想通貨の価格上昇要因ともなる機関投資家が多いOTCトレーダーに対して、こうした日本円と連動するステーブルコインとビットコインをスワップ(交換)するサービス提供を目標にしていると語りました。
※OTC(店頭取引)トレードとは、従来の仮想通貨取引所などを経由せず、相対的に行われる取引(相対取引)であり、取引業者自体が独自のルールに基づいて行う取引です。
【G20直前レポート】仮想通貨に関する重要項目をわかりやすく徹底解説
2019年6月後半に大阪サミットを控えていますが、財務省はそれに先立ち、6月8日~9日に福岡で開催された「G20財務相・中央銀行総裁会議」に関する声明文を公開しました。
ここでは、財務省が公開した仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンの分散型技術に関する重要項目についてわかりやすく徹底解説していきます。
仮想通貨の基盤となる技術は今後可能性大
G20が掲載した声明文の内容は、これまでと同じく「暗号資産のベースとなる技術は経済・金融システムにとって有益となる可能性は大きい」という事が記載されています。
2019年6月現時点で、仮想通貨は国際的な金融システムの安定に対し脅威をもたらしてはいないですが、今後も継続して「投資家保護・マネロン対策・テロ資金供与対策」などへの警戒は必要とも説明されています。
「暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安定に脅威をもたらしていないが、我々は、消費者及び投資家保護、マネーロンダリング及びテロ資金供与への対策に関するものを含め、リスクに引き続き警戒を続ける。」
金融庁の報告によれば、上記箇所に対して参加した世界各国から異論はなかったようです。
G20から依頼を受けている「FSB(金融安定理事会)」が、仮想通貨(暗号資産)が世界的な金融システムに与える影響に関して、定期的に評価をしている事から、現時点では脅威にはなっていないとの判断になったようですね。
2019年4月以降、ビットコイン価格が上昇傾向にありますが、このままBTC価格が上昇し続ければ意識が変わる可能性があるため、「引き続き警戒を続ける」との表見を用いています。
投資家保護の観点では「IOSCO(イオスコ)」からの報告書を歓迎
投資家保護に関しては、「IOSCO」と呼ばれる国際機関「証券監督者国際機構」の報告書を歓迎すると記載されています。
「我々は、消費者及び投資家保護や市場の健全性に関し、暗号資産取引プラットフォームについてのIOSCOの報告書を歓迎する。」
実は上記の「IOSCO」の報告書を作成時に金融庁が関わっています。
ただ、金融庁は上記の「IOSCOの報告書を歓迎する」文面に関して、投資家保護のために規制をかけなければいけないという意味ではないと説明しているようです。
日本であれば、投資家を保護するために規制をかけるのが当たり前のように感じますが、現状世界各国を見ると、「完全に規制している国」もあれば「投資は自己責任という国」も存在するのです。

つまり、こうした世界各国による規制の違いに関しては、あくまで「規制したい」と考えている場合に「IOSCOの報告書を基準に利用可能」という意味なのです。
※ IOSCO(イオスコ)は、世界規模となる証券市場や先物市場を規制する組織の連合体とされており、 加盟している団体は、各国の証券委員会や金融規制当局を指します。
暗号資産のマネロンやテロ資金供与に関する対策
近年、仮想通貨のマネーロンダリングへの利用、テロ資金供与目的での使用に関しての対策は非常に重要と言われています。
この対策に関しては、6月21日に発表される予定のFATF(金融活動作業部会)の「解釈ノート及びガイダンス」と呼ばれるものを採択するのではと期待されているようです。
解釈ノートとは、上記の犯罪行為に対して具体的にどんな対策をどのように適用するのかといった基準となるものです。

日本国内の仮想通貨取引所は「金融庁による登録制」という対応をとり、マネロンなどの問題に対処していますよね。
しかし、実際に世界規模でマネロンやテロ資金への供与目的に対応・防止するためには、日本だけでなく世界各国が積極的に協力し規制する事が必要不可欠となります。
今回G20で議論された内容には、日本だけでなくフランス・ドイツといった国から「マネロン対策への協力が非常に重要である」と指摘する見解がありました。
そのため、上記犯罪行為を防止するために「仮想通貨取引所は登録制あるいは免許制にする必要がある」点がほぼ確定したという見解もあるようです。
有価証券には該当しない仮想通貨規制が非常に重要
仮想通貨全般に対する規制を考えた場合、有価証券に該当する仮想通貨に対しては、ほぼ規制が明確になっています。
しかし、ビットコイン、イーサリアムといった現時点で有価証券に該当しない仮想通貨に対しては、世界各国の規制内容がばらばらである点が指摘されているのです。
今回のG20報告書には、以下のような記述がされています。
・我々は、FSBの暗号資産当局者台帳や、暗号資産における現在の取組、規制アプローチ、及び潜在的なギャップに関する報告書を歓迎する。
・我々は、FSBと基準設定主体に対して、リスクを監視し、必要に応じ追加的な多国間での対応にかかる作業を検討することを要請する。
つまり、FBS(金融安定理事会)、基準設定団体に対して仮想通貨(暗号資産)のリスクを監視しつつ、世界各国で必要であると判断された内容は検討しましょうという事が求められているわけですね。
ブロックチェーンによる分散型技術がもたらす影響についての議論
次に、ブロックチェーンがもたらす影響ですが、「仮想通貨の技術と言えばブロックチェーン」と言われるほど認知度が高くなりつつある分散型技術ですよね。
近年では、様々な分野の企業が提携し、仮想通貨やブロックチェーン技術の実用化に向けて実証実験を行っており、将来的にも期待されている技術と言えます。
ただ、従来の仲介業者をなくした直接的な金融取引となる分散型技術といった意味では、現状多くの問題点が指摘されています。
そのため、今回のG20で発表された内容でも、「ブロックチェーンがもたらす潜在的な影響」「金融安定性・規制」などについては今後もさらなる議論が必要不可欠とされているようです。
こうしたブロックチェーンなどの分散型技術に対する共同声明については、前回同様に具体的な決定事項は記載されてはいません。

しかし、世界各国の規制当直、自主規制団体などが相互協力し調査や議論を行って「従来の問題を解決するために適切ない対応を図っていく点が重要」という旨が記載されています。
具体的には、前述した「IOSCO・FATF・FSB」などが先導し今後の方針を決定していく事が記載されており、将来的にこうした機関や自主団体、そして規制当局の見解が注目されています。
G20大阪開催!世界各国政府による仮想通貨やブロックチェーン見解まとめ
今回は、6月後半に開催されるG20大阪サミットに向けて、8日から開催された「財務相・中央銀行総裁会議」で発表された共同声明や仮想通貨に対する様々な対策についてご紹介しました。
この共同声明には、ビットコイン価格にも影響があり、近年問題視されている貿易摩擦問題や日米間での為替問題などが議論されず、今月後半に開催される大阪サミットに課題を残す形となりました。
今回の成果としてまとめられた声明文には、世界的経済に影響が大きい貿易摩擦の激化などを挙げた上で、G20はこれらの対処として「さらなる行動をとる用意がある」と明記しています。

日本がもっとも議題として盛り込みたいとされた「自由貿易」の重要性に関しては、世界各国の隔たりもあり声明文には明記されなかったのは残念ですね。
昨年度に開催されたブエノスアイレスのサミットでは、マネーロンダリングなどを目的とした仮想通貨の使用を取り締まる国際法案が2020年までにの設立されるという発表がありました。
しかし、いまだ現時点では議論が継続しており、具体的な解決には至っていません。
今後、6月後半に開催される日本を議長国としたG20大阪サミットでは、前回題目として上がった仮想通貨に関する2つの内容が重要ポイントとなりそうです。
- FATFを基準にしたマネロン・テロ資金への供与対策のための仮想通貨(暗号資産)規制
- ブロックチェーンなどのデジタル化された国際取引の影響によるデジタル課税への対処
上記2つの内容が、仮想通貨投資家からもっとも注目されている内容と見られており、世界各国間でのデジタル課税制度の整備へ連携していく事が注目されています。
今後、仮想通貨が暗号資産としてブロックチェーン技術を通じて実用化されるまでに、日本だけでなく各国の規制を国際標準化する事は必要不可欠と言えますね。
また、仮想通貨業界の裏側にあるマネロンやテロ組織への資金供与問題に関しては、以下の記事にて詳しく解説しておりますのでぜひ参考にして下さいね。
最終更新日:2019年06月14日
【この記事を書いた女子会メンバー】

フォローする
Follow @twitter-
3 Tweet
-